森林施業と森林美 | Cyberforest for Environmental Education (CF4EE)

森林施業と森林美

 

清水裕子 (森林風致計画研究所)

 「森林美学」は、ザーリッシュ(H.v.Salisch)によって著された、19世紀末のドイツの林学書です。詳細な観察から得られる森林からの情報を重視した施業は、森林美を発揮し、経済的な利益を損なわないと主張し、その合理性について言及しました。我が国では大正期に林学に導入されましたが、その後、林学の表舞台から姿を消しました。しかし近年、生物多様性を重視した森林施業として再び評価され、各国で翻訳されています。本発表では、「森林美学」の中でも特に、森林施業によってもたらされる林内環境に焦点を当てて紹介します。

<講演者略歴>
清水裕子
 自伐林家。2007年に信州大学アソシエイト研究員を経て、現在まで、1haにも満たない山を日々管理し、経営しています。同時期に、大学の恩師や仲間達と共に、NPO法人森林風致計画研究所を設立(現在副理事長)。2010年から、ドイツの林学書「森林美学」の協働翻訳に携わっています。日々の森林管理によって体験的に、「森林美学」の世界への理解を深めたいと願っています。長野県林業大学校森林風致計画学非常勤講師、農学博士。

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